The Great Rock’n’Roll Swindle(YB-7004~5AX)|日コロ盤コレクション【後編:収録曲解説と“Love Is A Song”考察】

Sex Pistolsの『The Great Rock’n’Roll Swindle』(YB-7004~5AX)日コロ盤の収録曲と“Love Is A Song”を紹介するジャケット写真 12inch・LP
『The Great Rock’n’Roll Swindle』(YB-7004~5AX)日コロ盤の収録曲と“Love Is A Song”をコレクター視点で詳しく解説しています。【後編】

Here We Go!
Sex Pistolsのコレクション紹介!

前回に引き続き、日本コロムビア盤の
映画「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル」オリジナルサウンドトラック・アルバム

The Great Rock’roll Swindle(ピストルズ栄光の伝説)

をご紹介します!

👉前編はこちら

The Great Rock'n'Roll Swindleのジャケット(表)の写真

🧷 収録曲解説

カヴァーした楽曲についてはオリジナルの情報も載せてますので聞き比べてみるのも面白いですね!

YB-7004-AX/Side1

The Great Rock'n'Roll Swindleのラベル(YB-7004-AX SIDE1)の写真

1:GSTQ

・オーケストラ演奏で日コロ盤はマルコムのナレーションなし。

※別リリースでナレーションありのヴァージョンもあります。

2:Johnny B.Goode

・1958年、チャック・ベリーによるシングルとしてリリース

・映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年)で主人公マーティがこの曲を演奏するシーンが有名かな。

・ピストルズのカヴァーヴァージョンは、ほぼ、yeahとda😅

3:Road Runner

・ジョナサン・リッチマンが率いるアメリカのバンド、ザ・モダン・ラヴァーズ(The Modern Lovers)の代表曲で、ガレージロックの名曲です。

・アルバム”The Modern Lovers”(1976年10月15日リリース)に収録されていて、イギリスでは1977年7月1日に”Roadrunner (Once)”として発売されました。

4:Black Arabs

・ディスコ調のピストルズメドレー

・このアルバムで唯一飛ばす曲😅この曲好きな人いたらゴメンナサイ🙏

5:What You Gonna Do About It

・初期のころの演奏曲 ”Whatcha Gonna Do About It?” は、イギリスのバンド、スモール・フェイセス(Small Faces)が1965年8月6日に発表したデビュー・シングルであり、60年代のモッズ・カルチャーを象徴する名曲ですね。

6:Anarchy In The U.K.

・帯にはライブ収録と記載がありますが、実際にはデイヴ・グッドマンがプロデュースしたデモヴァージョンで、シングルヴァージョンよりもラウドで荒々しい演奏ですね。

※別リリースでシングルヴァージョンもあります。

YB-7004-AX/Side2

The Great Rock'n'Roll Swindleのラベル(YB-7004-AX SIDE2)の写真

1:Substitute

・イギリスのロックバンド、ザ・フー(The Who)が1966年3月4日にリリースしたシングルで、UK盤とのちに出たUS盤では一部歌詞が異なっています。また、曲も大幅にカットされて短くなってます。

2:No Lip

・”Don’t Give Me No Lip Child” は、1960年代イギリスのR&B/ビート・シーンで活躍した歌手デイヴ・ベリー(Dave Berry)が1964年に発表した楽曲です。

3:Stepping Stone

・”(I’m Not Your) Steppin’ Stone” は、トミー・ボイス&ボビー・ハートによって書かれたロックナンバーで、1960年代アメリカのポップ/ロックシーンを象徴する楽曲で、有名なのはザ・モンキーズ(The Monkees)のカヴァーヴァージョンですね。

・自分はモンキーズがオリジナルだとずっと思ってました。
そういえば昔テレビ(TBS系)で「ザ・モンキーズ・ショー」っていうのやってたんですが、友人は見てたよっていうんです。
調べたら1967年10月から1969年1月までTBS系列で毎週金曜日19時から放送されていた30分のテレビ番組とのこと。同い年なら生まれる前なんで再放送なのか?一回見てみたいですね!

4:Anarchy Pour Le U.K.

・Anarchyをミュゼット風にアレンジした楽曲です。

・映画の中では、シドがパリの街を歩くシーンで使われてますね。

 この曲を聴きながら街を歩けば気分はシド😆になれるかな…

5:Belson Was A Gas

・ピストルズのラストライブの音源ですね。

・デモが発表されるまではライブ音源でしか聴けなかった曲です!

・個人的にはLonghorn Ballroomの演奏の方が好きですね👍

・曲名の「Belson」は誤りで、正確には「Belsen」ですね。
「ベルゲン・ベルゼン(Bergen-Belsen)」と呼ばれ、ドイツ北部のニーダーザクセン州、ベルゲンという町の近くにある「ベルゼン(Belsen)」という小さな集落を指します。

これ、ほかのブートなんかでも間違えてるのありますね。

6:Belson Vos A Gasser

・5と同じ曲ですが、ロナルド・ビックスがヴォーカルのバージョンです。

・このヴァージョンはうーんって感じかな😅

YB-7005-AX/Side1

The Great Rock'n'Roll Swindleのラベル(YB-7005-AX SIDE1)の写真

1:Lonely Boy

・スティーヴジョーンズがヴォーカルのちょっとエモーショナルなロックバラードです。

・ピストルズっぽくは全然ないけど好きな曲ですね

・終わりにちょっと会話が入ってます😊

2:Something Else

・アメリカのロカビリー・ミュージシャン、エディ・コクラン(Eddie Cochran)が1959年にリリースした代表的なロックンロール・ナンバーです。

・このアルバムではシドがヴォーカルを務めてますが、ほぼ完コピです!

3:SillyThing

・この曲は、スティーヴがヴォーカルのヴァージョンとポールクックがヴォーカルのヴァージョンがありますが、劇中と同様にポールクックがヴォーカルです。

・プロフェッショナルズっぽい感じの曲ですね!まあスティーヴとポールの曲だからそうなりますね😅

4:Love Is A Song

・謎の1曲!別項で考察します↓

5:Rock Around The Clock

・1950年代ロックンロールの象徴的楽曲であり、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ(Bill Haley & His Comets)によって1954年に発表されました。ロックンロールの世界的ブームの火付け役となった歴史的名曲です。

・同アルバムでは、テンポール・チューダー(Tenpole Tudor)がヴォーカルです。

6:Cosh The Driver

・この曲は”No One Is Innocent” とか”ゴッド・セイヴ・ザ・ピストルズ”等、色々ありますが全部同じ曲です。

・音源で”Cosh The Driver”の表記っておそらく日コロ盤だけ?

7:My Way

・フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が1969年に発表した楽曲で、世界的に最も有名なスタンダード・ナンバーのひとつ。

・シドがヴォーカルで、前半はオリジナル風、後半はラモーンズ風のパンクナンバーになってます。

だいぶ前ですが、嵐の出演するauのCMで使われてたこともあります。

知らずに聴いていた人がほとんどだったとは思うんですがね😆

YB-7005-AX/Side2

The Great Rock'n'Roll Swindleのラベル(YB-7005-AX SIDE2)の写真

1:C’mon Everybody

・アメリカのロックンロール/ロカビリー・ギタリスト、エディ・コクラン(Eddie Cochran)が1958年に発表した代表曲です。彼の短いキャリアの中でも特に人気が高く、ロック史に残る名曲として知られています。

・この曲もシドのボーカルでほぼ、完コピですね!ちなみにエディ・コクランがなくなったのは21歳、奇しくもシドも21歳でこの世を去ってます。

2:EMI

・EMIのオーケストラ・ヴァージョンにスティーヴの朗読?

3:Rock and Roll Swindle

・タイトル曲”The Great Rock’n’Roll Swindle”ですね!

・劇中ではオーディションという形で色々な人が歌ってます。

・曲中で他のミュージシャンをかなりディスってますが、当時クレーム等はなかったんですかねぇ😅

4:Friggin In The Riggin

・元ネタの”Good Ship Venus”は、イギリスの伝統的な酒場歌(トラッド・ソング)であり、非常に猥雑で風刺的な内容を持つことで有名です。しばしばパブや酒席で歌われる“スケベ春歌”として親しまれています。

・スティーヴがヴォーカルで、歌詞の内容は下ネタ全開ですね😆

・曲調はアルプス一万尺みたいな感じです。

5:You Need Hands

・1958年にイギリスの歌手マックス・バイグレイヴス(Max Bygraves)がヒットさせた、温かみのあるバラードです。

・劇中で唯一、マルコムが歌っている曲ですね。

6:Who Killed Bambi

・テンポール・チューダーが歌うこの曲は、もうピストルズ関係ないんじゃない?って思いますがしっかりシングルまで出てますね😅

・作詞はヴィヴィアン・ウエストウッド。

本人が後年「“Who Killed Bambi?”の詩は私が書いたのよ。若さと純粋さが搾取されることへの怒りを書いた」と発言しているんで嘘ではないと思いますが、アイデアを出したっていう話もあるし…

実際に何処までかかわっていたのかは分からないですね。

🧷 謎の1曲 ”Love Is A Song”

原曲は?

原曲は、ディズニー映画『バンビ』(1942年)のオープニング曲(作曲:Frank Churchill・歌:Donald Novis)で、このアルバムの楽曲はヴォーカルなしのインストヴァージョンです。

なぜこの曲が?

この曲は、日コロ盤のみ収録でこれ以降の国内盤、他国のレコードには一切ありません。

しかも劇中でこの曲が使用されたところもないですし…

おそらく「Who killed Bambi(誰がバンビを殺したか)」のバンビにかけて入れたのではなかろうか?

版権(ライセンス)は?

ディズニーの曲は通常めっちゃ厳しい著作権管理があるんですよね。

当時、日本コロムビアはディズニーの日本国内における版権(ライセンス)を持ってたんですかね?

…ってことで調べてみたら、1962年から1970年までの期間、日本コロムビアはディズニーとライセンス契約を結び、日本語盤の発売を行ってたんですね。

1980年に再びライセンス契約を結び、1990年代前半まで音楽ソフトの販売を再開したみたいで、このレコードの発売日を考えるとなかなか微妙なとこですね🤔

※1970年から1980年については不明だったのでわかり次第訂正します🙇‍♂️

再収録の可能性は?

その後、ディズニーの版権は、ポニーキャニオン、エイベックスと移って今はユニバーサルミュージックが持ってます。

ユニバーサルが権利関係をクリアすれば、”Love Is A Song” の収録も理論上は不可能ではないけど、ディズニー側の承認や、作品全体の企画意図、その他の権利処理(原盤権・著作権など)も必要となるとのことでなかなか難しそうですね。

結局、謎は謎のままなのでコレも引き続き調査の対象ですね🔎

🔜 次回予告

次回からはTGRRS関連のシングルを順次紹介していきますのでお楽しみに♪

  byebye 👋

12inch・LPvinyl
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